4625 アカウントのログオン失敗
あらゆるログオン失敗で記録される。失敗の理由コードと発生パターンを読み解くことで、ブルートフォースやパスワードスプレーといった認証攻撃の検知につながる重要イベント。
概要
サブカテゴリは Audit Account Lockout と Audit Logon。ログオンを試みたマシン上で生成され、ドメインコントローラ・メンバーサーバー・ワークステーションのいずれでも記録される。なぜ失敗したかは Status / Sub Status の理由コードに、どの方式かは LogonType に表れる。成功時の 4624 と対になるイベント。
発生契機・方法
- 誤ったパスワード、存在しない・無効・ロックされたアカウントでのログオン試行。
- ネットワーク経由(
LogonType 3)、対話(2)、RDP(10)など各種の失敗。 - 失敗理由は
Status/Sub Statusコードで区別できる。代表的なもの:0xC0000064存在しないユーザー名(ユーザー名の総当たり=列挙の兆候)0xC000006Aパスワード誤り(既存ユーザーに対する試行)0xC0000072無効化されたアカウント0xC0000234ロックアウト中のアカウント0xC000006F許可時間外のログオン /0xC0000070許可されていない端末からのログオン
セキュリティ上の確認事項
- ブルートフォース(総当たり): 同一アカウントに対し、同一送信元から短時間に大量の失敗。目安として 1 分間に 50 件超など、しきい値で検知する。
- パスワードスプレー: 1 つの送信元から多数のアカウントへ、少数回ずつ失敗する手口(MITRE ATT&CK
T1110.003)。アカウントごとの失敗は少なくても、横断すると異常。SMB へのスプレーは DC 上に 4625 を残すが、LDAP や Kerberos 経由だと 4625 が出ないことがあり、その場合は 4771(Kerberos 事前認証失敗)も併せて見る必要がある。 Process Nameが標準フォルダ外、またはmimikatz等の不審な名前を含むものは要調査。LogonTypeと実行アカウントの不整合(管理者が Batch/Service で失敗等)も着目点。
ログレビュー時の注意観点
- 単発の失敗は日常的(パスワードの打ち間違い等)。件数より「同一送信元・短時間・多数」のパターンで見る。
- 送信元 IP・ワークステーション名・対象アカウント・理由コードを軸に集計すると、総当たりとスプレーを切り分けやすい。
- LDAP / Kerberos 経由の攻撃は 4625 に現れにくい。4625 だけに頼らず、Kerberos のログ(4771 / 4768)と NTLM 検証 4776 を組み合わせる。
主なフィールド
| フィールド | 意味 |
|---|---|
Account For Which Logon Failed\Account Name | 失敗対象のアカウント |
Status / Sub Status | 失敗理由のコード。攻撃種別の推定に使う |
LogonType | ログオン種別(2/3/10 など) |
Source Network Address / Workstation Name | 試行元。集計の軸 |
Authentication Package | NTLM / Kerberos / Negotiate |